著書紹介


小麦粉・卵・乳製品ゼロ
「炊飯器で超かんたん ふんわり米粉パン」

価格:本体1400円+税/家の光協会

「基本のシンプルパン(ドライイースト/白神こだま酵母)」の他、
「枝豆パン」「ほうれん草のパン」「かぼちゃパン」などの野菜をたっぷり使ったパン。
「ドライトマトとバジルのパン」「ローズマリーと黒こしょうのパン」などのこじゃれたパン。
「オニオンブレッド」「里芋とひじきのパン」などのおかずっぽいパン。
「抹茶甘納豆パン」「紅茶と甘栗のパン」「ココアマーブルパン」などのスイーツ系パン。
などなど、炊飯器で簡単にできる米粉パンのレシピを多数紹介。

炊飯器米粉パンは冷めてもしっとり柔らか。
サンドイッチにも最適ですし、トーストすれば表面サクッ&中もちもち。
そんな食感を生かすサンドイッチやトーストのアイデアレシピも考えました。

また、「ティラミス」「パフェ」「ケーキ」に「ラスク」...etc. 米粉パンがおしゃれでおいしいスイーツに大変身するレシピも紹介します。

★この本の生い立ち ─── 炊飯器米粉パンを作るきっかけになったのは、息子の食物アレルギーでした。判明当初は母乳育児中でしたので、私自身も除去食生活になりました。
外食で小麦や卵、乳製品などなど避けることは非常に難しく、食いしん坊の私には非常にストレスフルな毎日でしたが、塩味ばかりだったものをハーブを使ってイタリアンにしたり、雑穀でおしゃれなメインディッシュを作ったり、といつしか自宅での除去食生活を楽しめるようになっていました。
また、これはおいしくできたぞー!というレシピを、覚え書きがてらブログにアップしているうちに、同じ除去食中のお母さん方からコメントを頂いたりして、ますます楽しめるようになっていました。

息子は当初お米にもアレルギー反応がありましたが、いつしか成長につれお米も大丈夫になり、うれしくなった私は米粉のパン作りをはじめました。
それまで「パン」らしきものをずっと食べていなかったため、最初に作った米粉パンはおいしくて仕方がなかったのを覚えています。
今考えると、まわりはガチガチのせんべい状態だし、過発酵できめもボコボコなものでしたが・・・。

炊飯器米粉パンのレシピは、偶然の出会いでした。
ちょうど炊飯器を新しく購入し、そこに「発酵」機能がついているのを発見。
「うぬー。この発酵機能、使ってみたい」・・・というわけで、いつもオーブンで作っていた米粉パンの生地をお釜に入れたのがきっかけです。

できあがりは今考えると過発酵だし水分も多すぎてべとっとした感じのものだったのですが、それまで作っていたオーブンで焼いた米粉パンに比べればはるかにおいしいものでした。

そして2つ目の偶然の出会い。「リ・ブラン」との出会いです。
それまで「まあ米粉のパンだし、こんなもんでしょう」と思っていたものが、たまたま米粉を変えただけで、見違えるほど「パン」になってしまいました。

こんなにパンっぽいものが、こんなに簡単に作れることを、私だけ知っていてはもったいない!
同じ小麦アレルギーのお母さん達にも作ってもらえればな〜と、軽い気持ちで、Mixiとブログにレシピを書き込んだところ、予想以上の反響がありました。
ついつい没頭してしまう性格のため、コメントを書き込んで下さるお母さん達からの質問などでさらに研究意欲をかき立てられ、あれこれ試行錯誤しているうちに、だんだんとレシピも洗練されていきました。

そんな中、書籍化のお話がトントン拍子で決まりました。
こんな料理の素人が・・・と不安でしたが、出版社の方、編集の方、スタッフの皆さんがとても丁寧に指南して下さいました。

そこから怒濤の試作の日々がはじまりました。
微妙な塩加減、甘み、食感、とにかく何度も何度も試行錯誤しました。
そして、手当り次第に友人知人に自宅にきてもらい、試食をお願いしました。

「え、これが米? 普通にパンだよね」

これが一番うれしいコメントでした。

家族で囲む楽しい食卓に。
お客様への心を込めたおもてなしに。

そんな風景を想像しながら考えたレシピ達です。
「パンが食べられない!」と途方に暮れている、できるだけ多くの方に、この本が届き、楽しい食卓に笑顔があふれますように・・・。

2008年11月 多森サクミ