米粉による仕上がりの違い(おすすめランキング)

一口に「製菓用米粉」といっても、各メーカーにより製法や粒子の大きさ等かなり違いがあります。
また、製粉時の米の品種、季節、設備の変更、購入後の各ご家庭での保存状態や湿度・・・などなどによって、同じ米粉を使っているはずなのに吸水量や仕上がりが変わることもあります。
製菓用米粉はまだまだ開発途上。我々も今後の品質の向上&安定を応援しつつ、水分量の調整等、臨機応変に対応する必要があります

炊飯器米粉パンは、使用する米粉によって仕上がりが大きく異なります
ここでは炊飯器米粉パンに合う米粉をランキング形式にして、仕上がり具合をレポートしていきます。私の独断や好みなども入り混じると思います。参考程度にとどめて頂ければ幸いです。

炊飯器米粉パンができない米粉は→こちら
★惜しくも生産終了となり、現在入手できない米粉は→こちら

※材料について:特に明記していないものに関しては、米粉250g/ぬるま湯230g/イースト小さじ1/砂糖大さじ2/塩小さじ3/4/植物油大さじ1、で作りました。
※特に明記していない「とろみ水」は、水300ccに片栗粉小さじ2で作りました。

1位:「マイベイクフラワー」
アルファ化した米粉を配合しているそうで、米粉100%でありながらふんわりパンが可能。
現状、とろみ水を使わず「普通のぬるま湯」でふんわりパンができる米粉は私が知っている限りこの米粉のみ(※2010年まではリ・ブランという米粉がおすすめ1位の米粉でしたが、生産終了となってしまいました)。
多少の過発酵でも許容範囲のものができ、失敗が少ないのもありがたい。
【入手先】クオカママの手作りパン屋さんプロフーズサラ秋田白神  【メーカー】株式会社サラ秋田白神
仕上がり写真準備中です。
 




 
2位:共立食品「米の粉」
「とろみ水」使用レシピで、ふんわりパンが可能。
【入手先】共立食品おいしい生活
仕上がり例(とろみ水使用)

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【生地】とろみ水240g
【発酵】発酵メニューにて35分、約1.9倍まで発酵(※室温約22度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分

・とろみ水240gでは水分量が多すぎた→後日210gがベストと結論
仕上がり例

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【生地】ぬるま湯190g
【発酵】発酵メニューにて30分、約1.5倍まで発酵(※室温約22度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分

・ホットケーキよりは、若干ゆるめの生地。
・水分量と発酵に細心の注意を払えば、このような仕上がりが可能。ただし、発酵が少しでもオーバーしてしまうとキメが荒くなり失敗しやすい。
失敗例

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【生地】ぬるま湯200g
【発酵】発酵メニューにて35分、約1.9倍まで発酵(※室温約22度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分


・トロトロの生地。溶かしたチョコレートのような感じ。
・とろみ水では1.9倍でうまくできるが、ぬるま湯の場合はこのようにキメが荒くなり、過発酵。
 

3位:富澤商店「製菓用米粉」
とろみ水を使用した場合:リブラン並みのキメの細かさ&ふんわり感のあるパンが可能。
※富澤商店さんに問い合わせたところ、新潟製粉の「パウダーライスD」という米粉とのこと。同じ製造元なので、実際は「福盛シトギ2号」と同じものかも。仕上がり的には「福盛シトギ2号」と同等。入手のしやすさと価格面で上位とした。
とろみ水不使用の場合は「福盛シトギ2号」を参考のこと。
【入手先】富澤商店  【メーカー】新潟製粉株式会社
仕上がり例1(とろみ水使用)

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【発酵】発酵メニュー30分。約1.9倍まで発酵(※室温約20度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分

・とろみ水(鍋に水400ccと片栗粉小さじ2を入れ混ぜながら軽く沸騰させ人肌に冷ましたもの)210g使用。
・キメの細かさはリブランと同レベル。
・片栗粉は小さじ1だとビミョ〜〜〜に、歯にくっつく感じがあった。小さじ2にすると改善された・・・と思う。
・耳は若干固め。
(※使用米粉製造年月日:2009.3.25)
 

4位:「福盛シトギ2号」
とろみ水を使用した場合:リブラン並みのキメの細かさ&ふんわり感のあるパンが可能。
■ただのぬるま湯の場合:リ・ブランに比べると「ふんわり」感はダウン。「もっちり」したパンになる。過発酵で失敗しやすい。ぬるま湯の場合はキメが粗くなりがちなので発酵は低めの温度でゆっくり、1.5〜1.6倍程度に抑える。水分量の調整には細心の注意が必要。水分量が多すぎると無惨な餅状態になる。
【入手先】グリコ栄養食品株式会社  【メーカー】新潟製粉株式会社
仕上がり例1(とろみ水使用)

【酵母】サフインスタントドライイースト・金
【発酵】発酵メニュー20分、その後スイッチを切り
    約1.7倍まで発酵(※室温約18度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分

・水240ccと片栗粉大さじ1を鍋に入れ混ぜながら軽く沸騰させ人肌に冷まし「のり」を作り、この「のり」100g と人肌のぬるま湯100gを混ぜ、材料と合わせ生地を作る。生地の様子を見てぬるま湯を追加(今回30g追加。ちょっと多かったかも。25gぐらいでよかったかも)。
・ちょっとややこしい作り方なので、後日もっとシンプルなとろみ水の作り方を考えた。※富澤商店「製菓用米粉」の項参照。
・キメの細かさはリブランと同レベル。リブランと比べると多少弾力が強く固めの仕上がりかもしれない。
・耳は若干固め。
(※使用米粉賞味期限:2009.1.13)
仕上がり例2

【酵母】白神こだま酵母ドライ
【発酵】35度で10分+33分放置で約1.6倍に発酵(※室温約19度)
【炊飯】IH式圧力炊飯器/「ふつう」炊飯

・水分量195g(水分量190gではホットケーキ生地より少し固く、200gではトロトロだったので、その間をとって195g にしたら良い感じ)。
・耳は固め。
・食感はもっちり系。弾力はあるが、キメの細かさには限界あり。
(※使用米粉賞味期限:2009.1.13)
若干失敗例

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【発酵】発酵メニューで30分+10分放置で約2倍に発酵(※室温約21度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分

・水分量200g。かなりトロトロの生地。
・耳が固い。
・発酵2倍ではキメが粗め。
(※使用米粉賞味期限:2009.1.13)
 

5位:片山製粉「料理・製菓用米粉」
リブランほどの「ふわふわ」パンにはならないけど、パンと呼べるレベルのものはできる。
【入手先/メーカー】片山製粉株式会社
仕上がり例1

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【発酵】発酵メニュー10分、その後スイッチを切り
    約1.9倍まで発酵(※室温約24度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分

・リブランに比べると若干ねっとり感あり。耳が少し固め。
仕上がり例2

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【発酵】35度10分、その後スイッチを切り約1.7倍まで発酵(※室温約25度)
【炊飯】IH式圧力炊飯器/「ふつう」炊飯

・リブランに比べると若干ねっとり感あり。耳が少し固め。
失敗例

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【発酵】35度10分、その後スイッチを切り約1.5倍まで発酵(※室温約25度)
【炊飯】IH式圧力炊飯器/「すしめし」炊飯

・圧力をかけない炊き方のほうがいいかと思い、「すしめし」メニューで炊飯。1回の炊飯では中が生っぽかったので、再度「すしめし」メニューで炊飯。合計2回炊飯キーを押した。
・ひだ状の過発酵状態。かなりねっとりした仕上がり。
 

6位:「リ・ファリーヌ・グランクリュ」
とろみ水を使用した場合:リブラン並みのキメの細かさ&ふんわり感のあるパンが可能。
■ただのぬるま湯の場合:リ・ブランに比べると「ふんわり」感はダウン。「もっちり」したパンになる。過発酵で失敗しやすい。発酵には細心の注意が必要。
【入手先】クオカママの手作りパン屋さん  【メーカー】群馬製粉株式会社
仕上がり例1(とろみ水使用)

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【発酵】発酵メニュー20分、その後スイッチを切り
    約1.8倍まで発酵(※室温約17度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分

・とろみ水(鍋に水300ccと片栗粉小さじ1を入れ混ぜながら軽く沸騰させ人肌に冷ましたもの)250g使用。
・キメの細かさはリブランと同レベル。リブランと比べると多少弾力が強く固めの仕上がりかもしれない。
・耳は若干固め。
(※使用米粉賞味期限:2009.8.17)
仕上がり例2

【酵母】白神こだま酵母ドライ
【発酵】炊飯器に蓋をしただけで約1.7倍まで発酵(※室温約26度)
【炊飯】マイコン式炊飯器/「ケーキ焼き」メニューで40分

・リブランに比べるときめは荒め。
・「白神こだま酵母」を使った方がキメ細かくできるような気がする。
(※使用米粉賞味期限:2009.8.17)
過発酵による失敗例

【酵母】サフインスタントドライイースト・赤
【発酵】炊飯器に蓋をしただけで約2倍まで発酵(※室温約27度)
【炊飯】IH式圧力炊飯器/「ふつう」炊飯

・出た!過発酵ひだ状態。こうなるとパンとして食べるにはつらい。
・2倍まで発酵させたら過発酵となった。ただのぬるま湯で作る場合は発酵は1.5倍程度にとどめておくほうがよい。過発酵には非常に注意が必要
(※使用米粉賞味期限:2009.8.17)