米粉粘性テスト 〜 リ・ブランの謎があきらかに!


水だけで“つながる”リ・ブラン

製菓用米粉の中でも、特に小麦に近い仕上がりを見せてくれる「リ・ブラン」。
なぜそんなに他の製菓用米粉と全く違う仕上がりになるのか、非常に不思議だったので、リ・ブランを製粉している加藤粉体技術研究所さんに電話で聞いてみました。
担当の方にとても丁寧に教えていただきました(お忙しい中大変ありがとうございました)。

その秘密は「粘性」だそうです。
小麦粉に水を混ぜてこねると「グルテン」というものが生成されます。このグルテンには「粘性」「弾力性」という性質があります。
米粉にはこのグルテンがありません。
リ・ブランは、このグルテンの替わりとなるような「粘り」が出るよう研究されたそうです。
その粘りはどこから?
・・・粘りの正体、それは、水だけで粉が“つながることだそうです。

この水だけで「つながる」ことを証明する実験方法も教えてもらいました。
では、さっそく実験してみましょう!!!!


分離実験

実験方法は単純です。
粉と水を混ぜて放置するだけです。
通常の米粉は、しばらくすると粉と水とで分離します。

米粉大さじ1:水大さじ2 をまぜまぜし、1時間放置しました。結果は下の写真です。



非常に分かりやすい結果が出ました。
左から「リ・ファリーヌ」「モッチリクック」「リ・ブラン」「福盛シトギ2号」「ミラクルパウダー」。
ネットで比較的簡単に購入できる米粉を使いました。
水と粉とで分離していないのは、リ・ブランだけでした。

さらに10時間後がこちら↓



リ・ブランの表面にやっと水の層がうっすら(2mmぐらい?)できてくれました。
しかし、あきらかに1つだけ他とは違います。


今後の研究課題

自分は勝手に、米粉は粒子が細かければ細かいほどふんわりパンができるんだろう、と思っていましたが、そういうわけではないことが分かりました。
加藤粉体技術研究所さんに「どうやってその粘性が出るよう製粉してるんですか?」と聞いてみましたが、企業秘密とのことでした。そりゃそうですよね。

で、思いました。
もしかしたらこの「粘り」を作ってあげれば、他の製菓用米粉でももっとふんわりに近づけるかも!

おー、色々とアイデアが浮かびます。
さらに研究がんばります!!!